時谷堂だより 2020年パナマ号(No.25)

2020/04/01

  • 時谷堂だより


「時谷堂だより」は、当店の帽子の魅力、当時の新着情報やお得情報など、スタッフによる手書の文字やイラストともにお楽しみいただける内容をお届けしております。カタログのご請求時やご購入商品といっしょにお届けをしています。

2020年4月にお客様にお届けした「時谷堂だより 2020年パナマ号」をご紹介します。

時谷堂だより 2020年パナマ号

目次

パナマハットとは?

時谷堂だより 2020年パナマ号

「パナマハット」は、トキヤ草(パナマ草)の葉を細く裂いたものを編んで作られる帽子で、パナマ帽、本パナマ帽、トキージャハットとも呼ばれています。 パナマハットの特徴は、丈夫で軽いこと。その軽快な被り心地から、夏のファッションに欠かせないアイテムとなっています。

トキヤ草を素材としているものがパナマハットです。一口にパナマハットといっても、色々なタイプがあるんです。

発祥の国はエクアドル

時谷堂だより 2020年パナマ号

パナマという地名が付くパナマハットですが、発祥の地はエクアドルです!数世紀前、赤道付近に住むエクアドルの人々が被っていた、トキヤ草によって編まれた帽子がそのルーツとされています。

「エクアドルのトキージャハットの伝統的な編み込み制作方法」は、2012年、ユネスコにより無形文化遺産に登録されました。

パナマハットができるまで

時谷堂だより 2020年パナマ号

エクアドルでは、トキヤ草の栽培から、茹で、乾燥、編み込み、脱色染色、成型、装飾に至るまでの全ての工程が、現地の熟練職人たちの手作業によって進められます。

時谷堂だより 2020年パナマ号

◆トキヤ草の栽培、茹で、乾燥
トキヤ草はエクアドル原産の植物で、標高800m級の山に開墾された農場で大切に栽培されます。
柔らかい内側のみを裂いたトキヤ草は、大鍋で茹でられ、束にして吊るされ、自然の力のみを利用し乾燥させます。

◆編みこみ
トキヤ草は元来、均等な素材ではないため、機械で編むことはできません。帽子制作は、全て職人の手作業で行われます。
特にグレードの高いパナマハットは、細いトキヤ草を非常に細かく均一に編み込むため、熟練の職人でなくては作れません。

◆脱色染色
ホワイトのパナマハットを作るためには、硫黄を含んだ液で数日の時間をかけて脱色させます。染色は、繊維の段階で行われる場合もあります。

◆成形
脱色・染色の後、天日干しが終わると、成形が行われます。パナマハットの金型は、多種多様。これらの金型は各ブランドの貴重な財産でもあり、歴史の一部とも言えます。最後は職人の手によって、丁寧に形を整えていきます。

◆装飾
スベリ、ベルトやリボン等の装飾品を一つ一つ手作業でつけて完成です。
エクアドルのパナマハットブランドでは、製作工程のすべてをエクアドル国内で丁寧に手間と時間をかけながら行っています。
世界各国の著名ブランドのパナマハットもまた、帽体(成形する前の帽子の原型)をエクアドルから輸入し、製作されているものが大多数を占めています。

パナマハットの編み方の種類

パナマハットにもさまざまなタイプがありますが、その違い、ざっくり言うと「編み方の違い」にあるんです。ここでは、編み方の種類とその特徴についてご説明いたします。パナマハットの編み方の種類が分かれば、パナマハット選びが益々楽しくなりますよ♪

パナマハットの編み方は大きく分けて3種類に分けられます。 網代編み石目編みかぎ針編みです。その他にも、この3種類をアレンジした、透かし編み・飾り編み柄編み寄り合わせ編みといった編み方もあります。

網代編み・Llano(リャノ)

トキヤ草を1本ずつ上下するのではなく、2本ずつタテ材を超えたり、潜ったりして編み上げられた編み方。Llano(リャノ)とも呼ぶブランドもあります。目が詰まっていて美しい光沢があり、しなやかな使い心地が特徴です。
繊維が細くなると、目が詰まったこの編み方で編む必要があります。なので、最高級とされるパナマハットは網代編みで作られています。

【網代編みの編み目の図】
V字が連続して見えるのが特徴です。

【網代編みの編み目の拡大写真】
繊維が細ければ細いほど目が詰まっています。艶があり美しい印象です。

石目編み・Brisa(ブリーサ)

トキヤ草を1本ずつ交差させる編み方。Brisa(ブリーサ)とも呼ぶブランドもあります。目のつまりがそれ程きつくないので、風通しが良く、軽快なかぶり心地が特徴です。

【石目編みの編み目の図】
1本ずつ交差して見えるのが特徴です。

【石目編みの編み目の拡大写真】
網代編みと比較する目が粗くざっくりしています。より涼し気な印象です。

かぎ針編み・Medio Punto(メディオプント)

かぎ針編み・Medio Punto(メディオプント)

太めの素材をかぎ針で編み上げる手法。Medio Punto(メディオプント)と呼ぶブランドもあります。ざっくりとした編み目でカジュアルな印象。ずっしりとした重量感があります。

【かぎ針編みの編み目の拡大写真】
より目が粗くカジュアルな印象です。

その他編み方のアレンジ

透かし編み、飾り編み

穴あき模様を施した編み方。通気性が高く、かぶり心地はもちろん、見た目にも涼し気な印象があるのが特徴。

【透かし編み、飾り編みの拡大写真】
透かし模様は、穴の大きさ、デザインなど様々です。

縒り合わせ編み

素材を寄りながら、石目編みを施す手法。Torcido(トルスィド)と呼ぶブランドもあります。 石目編みよりさらにざっくりと編みこまれ、涼し気な印象。素材を縒っているため、はりのある手触りで重量感があります。

【縒り合わせ編みの拡大写真】
2色の繊維を縒り合わせて編むことにより、色が混ざり合って独特の見え方になっています。

柄編み

何色かの先染めした素材を編み込み、柄にする方法。チェック柄やグラデーション柄、ドット柄など個性的なパナマハットに仕上がります。

【柄編み編みの拡大写真】
4色の繊維を使ってチェック柄に編み込んでいます。職人が一つ一つ柄を編みこんでいく為、柄の出方が少しずつ異なり同じ商品は一つとしてありません。