秋のカーディガンを制する者は“余裕”を制す。大人の男が押さえるべき3つの着こなし術
ライター:真沙幸 監修:松はじめ
2025.11.28
秋冬の定番アイテムのひとつ、カーディガン。
羽織るだけで季節感を演出できる便利なアイテムですが、「おじさんっぽく見える」「なんとなく野暮ったい」と感じてしまう人も多いのではないでしょうか。実は、カーディガンは大人の男性にとって“センスの差”が出やすい服。ちょっとしたサイズ感や合わせ方次第で、おしゃれにも地味にも見えてしまう、繊細なアイテムなのです。
今回は、そんなカーディガンを上手に着こなすための3つのコツをご紹介します。ポイントを押さえれば、日常のスタイルに“こなれ感”と“大人の余裕”をプラスできます。
カーディガンが難しい理由
まずは、多くの男性がカーディガンで失敗してしまう理由を整理しましょう。
一見シンプルで誰でも着られそうなアイテムですが、実は意外と落とし穴が多いのです。
1. サイズ感のミス
多くの男性がやってしまうのが、「ジャストサイズすぎる」選び方。
肩がピッタリすぎたり、丈が短すぎると、途端に窮屈で古臭い印象になります。特に細身のニットカーディガンは、昭和感が出てしまうことも。大人の男性に求められるのは“余裕感”。サイズ選びでほんの少しの“ゆとり”を持たせることが重要です。
2. デザイン選びの難しさ
ケーブル編みやショート丈など、可愛らしさやトラッド感が強いデザインは、一歩間違えると「学生風」になりがち。大人の男性には、無地で落ち着いた色味のものが断然おすすめです。
3. 合わせ方の注意点
インナーやボトムスとのバランスを間違えると、全体の印象がぼやけてしまいます。
たとえば派手な柄のTシャツや、色落ちの強いデニムを合わせると、せっかくのカーディガンがカジュアルすぎる方向に引っ張られてしまいます。
カーディガンのサイズ選びは「ゆとり」が鍵
カーディガンをおしゃれに着こなす第一歩は、サイズ感にあります。
大人の男性には「ややゆったり」を意識したシルエットが似合います。
- 肩の縫い目は肩先からわずかに落ちる程度が理想。
- 着丈は腰骨からお尻の半分くらいまで。
- 普段よりワンサイズ上(例:XL)を選ぶと程よい抜け感が出ます。
ぴったりすぎず、かといってダボッとしすぎない「絶妙なゆるさ」が、こなれた印象を作ります。
最近ではドロップショルダーやリラックスシルエットのタイプも増えているので、ぜひ試してみてください。
カーディガンはインナー選びで“品”を出す
カーディガンのインナーには、シンプルかつ上品な素材を選びましょう。
おすすめは以下の3点です。
- クルーネックやモックネックのTシャツ
- 厚みのあるコットンやウール混素材
- 白・ブラウン・グレージュなど落ち着いた色味
ロゴ入りや派手な柄物は避け、無地の上質素材を選ぶことで、全体が大人っぽくまとまります。
特に白Tとの組み合わせは鉄板。カーディガンの色が引き立ち、清潔感のある雰囲気を演出できます。
カーディガンに合わせるボトムスは“緩めの美シルエット”でまとめる
トップスが柔らかい印象のカーディガンだからこそ、ボトムスは“バランス”が重要です。
おすすめは以下のようなスタイル。
- 濃紺のデニム(色落ちなし)
- モカやブラックのスラックス風パンツ
- ややゆとりのあるストレートまたはテーパードシルエット
これらを合わせることで、全体にリラックスしたムードを保ちながらも、きちんと感を損なわないコーデが完成します。
靴はローファーやクリーンなレザースニーカーを選ぶと、都会的で大人っぽい印象に仕上がります。
カーディガンは帽子との相性で“抜け感”を演出する
カーディガンスタイルをさらに格上げしたいなら、帽子を取り入れるのもおすすめ。
実は、帽子は「休日のカーディガンコーデ」をおしゃれに見せる最強の小物です。
たとえば――
キャスケット:クラシックな雰囲気を演出。ウール素材のカーディガンと好相性。
ハット(フェドラ・中折れ):全体を引き締め、知的な印象に。ネイビーやダークブラウンのカーディガンに◎。
ニット帽:カジュアル寄りの着こなしに。ボリュームのあるカーディガンと合わせると、都会的なリラックス感が出ます。
帽子を取り入れる際は、全体の色味を合わせるのがポイント。
たとえば、ネイビーのカーディガンにグレーのニット帽、ブラウンのカーディガンにベージュのキャスケットなど、トーンをそろえることで自然なまとまりが生まれます。
帽子を加えるだけで、“休日の余裕”を感じる大人スタイルが完成します。
まとめ:カーディガンは“大人の品格”を映す鏡
カーディガンは、シンプルだからこそセンスが試されるアイテム。
ほんの少しのサイズ感の違いや、色味のトーン、合わせる小物ひとつで、印象が大きく変わります。
- サイズは「少しゆるめ」
- インナーは「上質で無地」
- ボトムスは「リラックスシルエット」
- そして帽子で「抜け感」をプラス
この4つのポイントを押さえれば、あなたのカーディガン姿は一気に洗練されます。
年齢を重ねた男性だからこそ似合う“余裕のあるスタイル”を、ぜひカーディガンで表現してみてください。
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Writer執筆者紹介
松 はじめ
東京・表参道のオーダーサロン「ボットーネ」オーナー。
20代で起業し、政治家、経営者、芸能人、プロスポーツ選手など自身も3,000人以上の仕立服を手がける。
映像制作、企画を行う株式会社メディコ代表。
YouTubeチャンネル「メンズファッションTV」をはじめ、オンラインスクール運営やブログなどで情報発信を行う。
著書に、リセット仕事服(技術評論社)









