パナマハットの基礎知識1 パナマハットとは

2018/03/08

  • 帽子の知識


夏の帽子の代名詞とも言われる「パナマハット」は、世界中で多くの人に愛されています。日本においても、明治時代から世の男性たちに愛され続け、現代では男女問わず大変人気の高い帽子です。

しかしながら「パナマハットってそもそも何?」「パナマハットとストローハットの違いは?」「どうやって作られているの?」などなど・・意外と知られていないことも多いのです。

というわけで・・『パナマハットの基礎知識1 パナマハットとは』と称して、パナマハットの最も基本的な知識についてご紹介します。

目次

パナマハットとは

「パナマハット」は、トキヤ草(パナマ草)の葉を細く裂いたものを編んで作られる帽子で、パナマ帽、本パナマ帽、トキージャハットとも呼ばれています。
パナマハットの特徴は、丈夫で軽いこと。その軽快な被り心地から、夏のファッションに欠かせないアイテムとなっています。

「パナマハット」と混同されやすい種類の帽子に「ストローハット」がありますが、「ストローハット」とは、麦わらを素材とした「麦わら帽子」のことを指します。
また、麦わら以外のトーヨーストロー(リサイクルパルプ)、ジュート(黄麻)、アバカ(マニラ麻)・シゾール(サイザル)等を素材とするものであっても、形状や質感を麦わら帽子のスタイルに寄せて作られたハット全般を指して、「ストローハット」という名称が用いられる場合もあります。

発祥の国はエクアドル

パナマという地名が付くパナマハットですが、発祥の地はエクアドルです!数世紀前、赤道付近に住むエクアドルの人々が被っていた、トキヤ草によって編まれた帽子がそのルーツとされています。

――パナマハットの名前の由来

現在一般に定着している「パナマハット」という呼称は、アメリカのセオドア・ルーズベルト大統領がパナマ運河建設の現場訪問時にこの帽子を着用したことで、世界的に浸透しました。エクアドルでは「パナマハット」ではなく「トキージャハット」と呼ばれています。

無形文化遺産のパナマハット

「エクアドルのトキージャハットの伝統的な編み込み制作方法」は、2012年、ユネスコにより無形文化遺産に登録されました。これよって、パナマハットが、良質な天然繊維と伝統技法によって生み出される最高品質の帽子であるということが国際的に認められることとなりました。

ユネスコの無形文化遺産のホームページ(https://ich.unesco.org/)に掲載されている動画では、「パナマハットの伝統的な制作方法」や「パナマハットの制作が人々の生活に根付いている様子」などが見てとれます。

パナマハットができるまで

エクアドルでは、トキヤ草の栽培から、茹で、乾燥、編み込み、脱色染色、成型、装飾に至るまでの全ての工程が、現地の熟練職人たちの手作業によって進められます。

トキヤ草の栽培、茹で、乾燥

トキヤ草は扇形に開いた葉をもつエクアドル原産の植物です。標高800m級の山に開墾された農場で大切に栽培され、柔らかい草の内側のみがパナマハットの原料として用いられます。

柔らかい内側のみを裂いて束にしたトキヤ草は、大鍋で茹でられます。こうして茹でられたトキヤ草の束は、吊るされて乾燥させます。この乾燥も自然の力のみを利用します。


パナマハットの編みこみ

トキヤ草の乾燥を終えたら、編み込みの工程に入ります。

トキヤ草は元来、均等な素材ではないため、機械で編むことができません。帽子制作は、全て職人の手作業で行われます。
特にグレードの高いパナマハットは、細いトキヤ草を非常に細かく均一に編み込むため、熟練の職人でなくては作れません。

パナマハットの制作は、生活の一部となっており、子どものころから親の傍らでトキヤ草のお人形を編むなどして、パナマハット作りを覚えていきます。このようにして、パナマハット作りの伝統が現代まで受け継がれているのです。

本格的なパナマハットは、1つ仕上がるまでに何ヶ月もの時間を要しますが、こうした丁寧な加工により、仕上がりはまるで布や皮のように滑らかで美しいものになります。

脱色染色

編み上げられたパナマハットは、脱色または染色の加工が施されます。
ホワイトのパナマハットを作るためには、硫黄を含んだ液で数日の時間をかけて脱色されます。

染色は、繊維の段階で行われる場合もあります。

成形

脱色・染色の後、天日干しが終わると、成形が行われます。

パナマハットの金型は、多種多様。これらの金型は各ブランドの貴重な財産でもあり、歴史の一部とも言えます。

最後は人の手によって、丁寧に形を整えていきます。

装飾

最後に、スベリ、ベルトやリボン等の装飾品を一つ一つ丁寧に付けて完成です。

このように、エクアドルに居を構えるパナマハットブランドでは、パナマハット制作のすべての工程を、エクアドル国内で丁寧に手間と時間をかけながら行っています。
世界各国の著名ブランドのパナマハットもまた、帽体(成形するまえの帽子の原型)をエクアドルから輸入し、制作されているものが大多数を占めているのです。


いかがでしたでしょうか?パナマハットとは何かについてご紹介しました。
エクアドルのパナマハットの魅力を感じていただけたなら幸いです。『パナマハットの基礎知識 2』では、パナマハットの編み方の分類についてご紹介しようと思います。お楽しみに。