結婚式は?お葬式は?正装・礼服に合う帽子とマナー

2021/11/11

  • 帽子コラム


以前、タレントで魚類学者のさかなクンが、漫画家・水木しげる氏のお別れの会にトレードマークの魚(ハコフグ)の帽子をかぶって参列したことが話題となりました。

そこで今回は、結婚式(披露宴、二次会)や葬儀(お葬式)などに代表される、フォーマルな冠婚葬祭シーンで使える帽子、そのかぶり方の男性・女性のマナーについて考えてみます。

まずは帽子の「基本ルール」の確認を

帽子は、男性の場合、「屋内に入ったら脱ぐ」が基本のマナーになります。

そして、それ以外で帽子を脱ぐべきケースの代表例が、「相手への敬意を示す場面」です。

相手先の住居や会社を訪問する際、国歌斉唱などのセレモニーにのぞむ際、神社・寺院・教会を訪ねる際などは、「敬意を示す場面」であるため、脱帽すべきと考えられます。

しかし女性の場合は、屋内・室内でも原則として帽子を着用していて問題はなく、人と挨拶する際や、国歌斉唱の際も帽子をかぶったままでよいとされています。

こうした、男性(メンズ)・女性(レディース)の帽子のマナー。お葬式、結婚式など冠婚葬祭の場面では、どうなっているのでしょうか?

「葬儀の場合」男性はほぼNG、女性はごく稀にOK

まず、男性(メンズ)の場合。

洋服における最もフォーマルな服装は、正礼装と呼ばれます。モーニングコート、燕尾服(イブニングコート)、タキシードなど。それに準ずる服装は準礼装と呼ばれ、ディレクターズスーツなどがこれにあたります。

こうした洋装の礼服に合う帽子としては、トップハット(シルクハット)、ホンブルグハットなどが挙げられますが、日本の葬儀(通夜、告別式)では男性のほとんどがブラックスーツなどのいわゆる略礼服(略喪服)を着用するため、これらの帽子を使う場面は「ほぼない」と言えるでしょう。

ただ喪服を着る場合でも、移動中に帽子をかぶることは全く問題ありません。葬儀用の礼服に合せるなら、華美でない黒のフェルトハットなどの中折れハットを選ぶといいでしょう。

もちろん、式場に入る際、葬儀中、お見送りの場面などで帽子を脱ぐのは当然のマナーです。

次に女性(レディース)の場合ですが、トーク帽(トークハット)と呼ばれるツバ(ブリム)のない小さな帽子を身につけてよいケースがごく稀にあります。

女性のトーク帽は、日本においては原則として、キリスト教式の葬儀の際のみに用いられます。また基本的には、故人の遺族・親族の方のみが着用できるとされています。

「結婚式の場合」男性はNG、女性は条件付きでOK

ニュース映像などで、イギリス王室のロイヤルウェディングで、ゲストの女性たちによる華やかな帽子とドレスの競演を目にした方も多いことでしょう。

日本においても、慶事である結婚式(披露宴、二次会)なら、女性は帽子のおしゃれを楽しむことができます。特に、上でも紹介したトーク帽(トークハット)は、お呼ばれドレスとの相性もぴったりです。

ただ注意したい点として、様々なカラーのものがあるトーク帽ですが、やはり「白」は避けましょう。白は花嫁の色。ドレスなどでもゲストが避けるべき色であることは常識ですよね。

また、ブライダル(婚礼)の主役は、あくまでも新郎新婦。帽子をかぶると、悪目立ちしすぎてしまう可能性があります。色だけでなく、デザインにも気を配り、派手すぎないものを選びましょう。

このあたりについては、イギリス王室のロイヤルウェディングをマネしてはいけません。新郎新婦より目立たないことはもちろん、周りのゲストとのバランスも考慮に入れましょう。

その点、男性は少し寂しいですね。式場に入ったら手荷物などと一緒に帽子をクロークにあずけ、式の間はずっと脱帽している必要があるので、女性のような楽しみ方ができません。

ただ、男性としてもきっちりとした服装に身を包む貴重な機会でもあるので、礼服に合う帽子として上質なラビットファーフェルトハットビーバーファーフェルトハットなどを選んで、行き帰りのおしゃれとして楽しんでみてはいかがでしょうか。スーツに帽子はよく似合いますよ。

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