スリーピーススーツの着こなしコーディネート!ポイントや合わせる帽子も解説

ライター:松はじめ

2023.05.23

年齢を重ねていくと、仕事もそれなりの責任あるポジションになって、部下をとりまとめていくマネジメントが必要になったり、会合や式典に呼ばれるといったケースも少なくありませんね?
通常のスーツスタイルはもちろんビジネスでは王道ですが、ベストを合わせたスリーピーススーツのスタイルにも挑戦したいもの。

とはいえ、

ベストを着るスタイルはいつ、どうやって着れば良いかわからない

  • 変な服装に思われてしまっては困る
  • 周囲と差を付けるためのコーディネートがわからない
  • スリーピーススーツにどんな帽子を合わせれば良いかわからない

そんな風にお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

本日は、実際にスリーピーススーツスタイルをコーディネートする際の注意点や着こなしのポイント、一歩差が付く小技などについて解説いたします。

■スリーピーススーツとは?

スリーピーススーツとは、3つのピースに分かれたスーツのこと。女性が着るワンピースは1つのピースでできているわけですが、ジャケット、パンツ、ベストと3つのパーツに分かれているから、スリーピーススーツといいます。

中世ヨーロッパのスーツのルーツを辿っても、常にベストは着られています。イギリスではスリーピーススーツのベストのことをウエストコートといって、必ず着なければならないアイテムでした。

■スリーピーススーツを着るシーン

スリーピーススーツを着るシーン

スリーピーススーツというと、結婚式でスピーチをする時に着る、というようなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、もちろんフォーマルシーンで着用していればきちんと見えるのはもちろんですが、普段のビジネスシーンでも問題なく着用可能です。特にオフィスではあまりベストまで着ている人は少ないと思いますので、それだけで差別化も可能です。
ベストはさり気ないですが、インパクトのあるアイテムです。それを着ているだけでもオシャレな人、というイメージが付きますし、ベストを着ている○○さん、というイメージを付けることもできるほどです。

■スリーピーススーツのメリット

スリーピーススーツを着るメリットは、威厳が出るという点です。
胸元のVゾーンがグッと浅くなり、胸板が厚く、凛々しく見えることもあって、映画やTVドラマでもスタイリストが、上司役などを演出する時に使うのも、ベストを着ているスリーピーススーツスタイルです。

また、ベストがあることで、ネクタイを押さえて立体感を出すメリットもあります。
時々セレクトショップなどのマネキンが、ベストを着ている内側のネクタイが、キュッと持ち上がっているのを見たことはありませんか?ベストがあれば浅いVゾーンでネクタイを押さえることができるので、胸元に立体感を作ることができます。

さらに、ベストは暖かいというのも良いところです。
空調が発達した現代、オフィスや店舗でも冷房が効いていると思いますが、こういった場合の温度調整もベストがあれば可能です。
またジャケットを脱いでいるスタイルはクールビズが一般的になったので、違和感はないかもしれませんが、ベストを着ているとそれなりにキチンと見えます。シャツ1枚で先方にご挨拶に行く、といった場面よりも、ベストを着ているだけでキチンと見え、袖もないので涼しく過ごすことができます。

スリーピーススーツはメリットが多いのです。

■スリーピーススーツの基本コーディネート

スリーピーススーツの基本コーディネート

スリーピーススーツの着こなし・コーディネートのポイントですが、そもそもこのベストはとてもシンプルなアイテムでジャケット・パンツと同じ色・柄となります。
そこで、その他のアイテムの色や柄に気を付けてコーディネートします。
具体的に写真のコーディネートを解説すると、無地のスリーピーススーツ、無地のブルーシャツ、小紋柄のネクタイを合わせています。

このコーディネートだと、無地・無地・柄となり、ネクタイのみに柄を使っているため、柄同士が喧嘩することもなく、綺麗にまとまります。

柄と柄を合わせるのは中級となってきますので、まずはこの無地を中心にコーディネートを作っていくことを覚えておきましょう。

■スリーピーススーツの応用コーディネート

スリーピーススーツの応用コーディネート

続いて、無地のコーディネートに慣れたら、さらに柄の幅を広げていくのも良いでしょう。
柄のネクタイを使用する場合、あと1つならば柄を使ってもコーディネートができます。
ポイントは、無地のシャツ、無地のネクタイ、無地のスリーピーススーツなどどこかには無地のアイテムを使用すると良いでしょう。

写真のコーディネートでは、無地のスーツに、ロンドンストライプという等間隔幅の縦縞のシャツ、ネクタイは先ほどと同じような小紋柄となっており、無地・柄・柄となっています。無地をどこかに挟めば、難なくスリーピーススーツのコーディネートがまとまります。

■スリーピーススーツのコーディネートで使用したいチーフ

とてもシンプルな着こなしになるのがスリーピーススーツ。
そこで少し足し算してみましょう。例えば胸元にポケットチーフという、ハンカチのようなものを入れてみるのはいかがでしょう?実はハンカチとは別物で、ここに入れるだけのポケットチーフという、シルクやリネン、ウールなどの布が販売されています。
ジャケット、パンツ、ベストが全て揃っているスリーピースなので、ネクタイやシャツと同じ色のポケットチーフなどをさり気なく胸元に入れてみましょう。
ポケットチーフも、なんだか結婚式に参列するスタイルのようだ、と思われるかもしれませんが、全くそんなことはありません。
あまり身につけている人が少ないからこそ、それを胸元に入れるだけでオシャレ感が醸せます。

■スリーピーススーツのコーディネートで合わせたい帽子

PRIMERA(プリメーラ)ホワイト

シンプルなスリーピーススーツですが、デザインは100年前からほぼ変わらないため、クラシックな印象が出ます。1930年代の映画などを見ても、基本的にはスリーピーススーツを着こなしています。
1900年代前半は特に、スリーピーススーツとともに必須アイテムだったのが帽子。
帽子がなくては外を歩けない!と言われたほど、紳士の基本アイテムでした。
そこで、スリーピーススーツに帽子を合わせてみましょう。

最も相性が良い春夏の帽子が、パナマハットです。
パナマハットは赤道直下のエクアドルが本場で、トキヤ草という草を、手で編んで作られています。
色は白を中心に、麦わら帽子のようなベージュ、ブラウン、ネイビー、ブラック、レッドなど様々な色のパナマハットが登場しています。
スリーピーススーツにこそ合わせたいのがこのパナマハットです。
特に中折れ帽と呼ばれるタイプは、相性抜群です。

写真はエクアドルのパナマハットブランドのオメロオルテガの、プリメーラという帽子です。白の帽体が涼やかで、リボンの色をネクタイと同じ色にして楽しんでみてはいかがでしょう?

■まとめ

いかがでしたか?
スリーピーススーツという、ジャケット・パンツにベストをプラスした、クラシックでシンプル、昔から変わらない王道紳士スタイル。
結婚式などに参列する時にはベストを着る、という方はいらっしゃるかもしれませんが、実は普段使いもオススメなスタイルです。
シンプルだからこそコーディネートも実はしやすく、それでいてオシャレに見えるアイテムです。
リラックスしたファッションが世間一般的になった今こそ、逆にスリーピーススーツスタイルに挑戦してみてはいかがでしょう?

この記事で紹介した商品(価格は投稿時点のものです)



Writer執筆者紹介


松 はじめ

松 はじめ

東京・表参道のオーダーサロン「ボットーネ」オーナー。
20代で起業し、政治家、経営者、芸能人、プロスポーツ選手など自身も3,000人以上の仕立服を手がける。
映像制作、企画を行う株式会社メディコ代表。
YouTubeチャンネル「メンズファッションTV」をはじめ、オンラインスクール運営やブログなどで情報発信を行う。
著書に、リセット仕事服(技術評論社)

リセット仕事服(技術評論社)