俳句・短歌が大人気! 春夏秋冬・俳句の季語にある帽子関連の言葉
2023/08/10
- 帽子コラム
このところ、俳句・短歌が人気です。中でも、俳句ブームを牽引しているといわれるのが、MBS制作(TBS系列)のテレビ番組「プレバト!!」です。
番組司会の“浜ちゃん”ことダウンタウンの浜田雅功さん、俳句部門の査定担当の俳人・夏井いつき先生、俳優・梅沢富美男さんをはじめとする出演者たちによる、番組内での軽妙なやりとりは、大変人気があります。
さて、俳句といえば、詠み手を悩ませる要素であり、同時に俳句ならではの花鳥風月の味わいを生み出す要素でもあるのが、季語(季題)です。そこで今回は、俳句の季語(季題)になっている「帽子関連の言葉」についてまとめてみました。
イメージ通り!季節感たっぷりの夏の季語「夏帽子」
俳句で用いられる季語を分類・整理し、解説を加え、例句などを載せて一覧にまとめた書物を「歳時記(歳事記)」といいます。俳句歳時記、俳諧歳時記、季寄せなどとも呼ばれます。
この歳時記において、メインの見出し語となるのが季語(季題)、その変化形・バリエーションが子季語(傍題)と呼ばれ、それぞれの単語が季節を表す言葉として扱われています。
帽子関連の季語(季題)として、最も有名なものは「夏帽子」ではないでしょうか? 文字通り、夏にかぶる帽子を意味する夏の季語です。これを略した「夏帽」も子季語(傍題)として使えます。
帽子好きにはおなじみの、帽子種類を表す単語、「麦藁帽」「パナマ帽」「カンカン帽」も、「夏帽子」の子季語となっています。
季語:夏帽子(なつぼうし)
子季語:夏帽(なつぼう)、麦稈帽(むぎわらぼう)、麦藁帽(むぎわらぼう)、パナマ帽(ぱなまぼう)、カンカン帽(かんかんぼう)
意外なところでは、「経木帽」(きょうぎぼう)という言葉が夏の季語になっています。
経木(きょうぎ)とは、主にスギ・ヒノキなどの木材を紙のように薄く削ったもので、食品の包みなどに用いられます。
この経木を細くして真田紐のように編んだものを経木真田といい、これを縫製したものが経木帽/経木帽子です。古風なブレードハットの一種と考えていいのではないでしょうか。
つばが広く、田園での農作業や海浜の仕事に携わる人たちがかぶることから、夏の季語となっています。
ふっくら暖かい質感が伝わってくる冬の季語「冬帽子」
さて、帽子関連の言葉で、「夏帽子」に対する冬の季語(季題)といえば「冬帽子」です。これまた文字通り、冬にかぶる帽子のことで、これを略した「冬帽」も子季語(傍題)として使えます。
季語:冬帽子(ふゆぼうし)
子季語:冬帽(ふゆぼう)、毛帽子(けぼうし)、防寒帽(ぼうかんぼう)
この他、冬の季語に「雪帽子」(ゆきぼうし)があります。これは、雪の日に頭から上半身にかけてまとう防寒具のことで、子季語の「蓑帽子」(みのぼうし)、「茣蓙帽子」(ござぼうし)からイメージされるように、いわゆる「雪ん子」がまとっているようなものです。
それなら、「春帽子」「秋帽子」も季語なのか!?
「夏帽子」「冬帽子」が季語なら、単純に「春帽子」「秋帽子」も季語になるような気がしますが、どうなのでしょうか?
結論からいうと、「春帽子」は季語ですが、「秋帽子」は季語ではありません。
春にかぶる帽子は、冬の帽子とは打って変わって、「素材は軽やかに、色も明るくなる」という特徴があり、季節の移ろいや変化を象徴するものでもあります。それと比較すると、秋にかぶる帽子というのは、たしかに春の帽子ほど際立った特徴がないかもしれません。
またこの他に、「水泳帽」「海水帽」「登山帽」は、いずれも夏の季語になります。
なお「帽子花」は、秋の季語「露草」(つゆくさ)の別名で、子季語になるということです。
夏の定番帽子といえばパナマハットぜひ一度ご覧ください!